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10沖縄インターハイ直前特集号

インターハイに向けてレシーブ力の強化に励む大野果歩

インターハイに向けてレシーブ力の強化に励む
大野果歩

北海道・東北

バレーボール女子 古川学園(宮城)
もう銀メダルはいらない
斉藤健仁=文・写真

「もう銀メダルはいらない」。そう意気込むのは、今春の全国高校バレーボール選抜優勝大会(春高バレー)で、3年連続準優勝に終わった古川学園(宮城)女子バレーボール部だ。持ち味である高さとパワーのバレーを支えるために、レシーブ力を強化。高校バレー界の女王・東九州龍谷(大分)を倒し、11年ぶりの日本一へと突き進む。

「春高」で3年連続2位 悲願達成へレシーブ強化

「インターハイは東龍(東九州龍谷)に勝って日本一になる、という強い気持ちで臨みます」と部員たちは声をそろえる。昨年のインターハイでは、東九州龍谷と対戦する前の準決勝で敗戦。春高バレーでは今春まで3年連続決勝で敗れ、苦杯をなめさせられてきた。

古川学園は180cmを超える双子の大野果歩、果奈(3年)=ともに青森・三沢二中出身=を筆頭に、レギュラーの平均身長が177cmを超えており、高さとパワーのバレーを信条とする。だが、春高バレーの決勝では東九州龍谷の高速バレーに対応できず、自分たちのミスも重ねて自滅。思うように持ち味を出すことができなかった。

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得点後にハイタッチをし合い、笑顔を見せる駒場イレブン

得点後にハイタッチをし合い、笑顔を見せる駒場イレブン

関東

サッカー 駒場(東京)
都立の星 高めた団結力
川上純子=文・写真

駒場(東京)サッカー部。私立の強豪がそろう東京で、インターハイ予選での前評判は決して高くなかった。だが、ワールドカップ(W杯)本番で輝きを見せた日本代表のごとく、次々と格上のチームを撃破。9年ぶり2度目のインターハイ出場を決めた。

声出し意識が浸透 「格上」を次々破る

都予選の準決勝。駒大高を下してインターハイ切符を獲得すると、イレブンは歓喜に沸いた。「(全国出場)おめでとう〜!」。応援スタンドからの惜しみない声援に満面の笑みで応える部員を眺め、就任2年目の山下正人監督(54)は「一生懸命取り組むし、全員が得点をとれる」とたたえた。偶然にも準決勝当日は、監督の54歳の誕生日。うれしい誕生日プレゼントにもなった。

都立勢としては伝統校で、部員160人の大所帯。しかし、主将のDF原玄(3年)=東京・柳沢中出身=は「まさかインターハイに出場できるとは思っていなかった」という。

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チームを引っ張る主将の平良彰大。173cmの身長だが、リバウンドでも存在感を見せる

チームを引っ張る主将の平良彰大。173cmの身長だが、リバウンドでも存在感を見せる

バスケットボール男子 市船橋(千葉)
チームの強みは「みんな一生懸命」
斉藤健仁=文・写真

男子バスケットボールの千葉県予選の決勝リーグで、市船橋が3連勝で全国大会への切符を手にした。同校は新チームとなってから、公式戦で負けたのは1回だけと好調を維持。昨年のインターハイでは2回戦敗退だったが、今年は得意とするディフェンスからの速攻に磨きをかけて〝イチフナ旋風〟を巻き起こす。

絶対的エース不在でも得意の速攻で勝負

「昨年末のウインターカップ(全国選抜大会)に出場できなかった悔しさを糧に、早めに準備してチームをつくり上げてきた」。そう語るのは市船橋の男子バスケットボール部の監督となって3年目の近藤義行監督(42)だ。同校は2005年にはウインターカップでベスト4に進出した強豪。今年で8年連続17度目の出場となる。

新チームがスタートしたとき、絶対的なエースがいなかった。全国の強豪のように2㍍級の選手や海外からの留学生もいない。そこで、近藤監督が掲げたのは全員で走って、守って、攻める「全員で頑張る」バスケットだった。

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県総体に初出場し初優勝を果たした足羽レスリング部員たち

県総体に初出場し初優勝を果たした足羽レスリング部員たち

東海・北信越

レスリング 足羽(福井)
県総体初出場で優勝
齋藤久美子=文・写真

福井県高校総体のレスリング学校対抗に初出場した足羽が優勝し、インターハイへの切符を獲得した。部員わずか8人。レスリング経験者3人に柔道経験者3人、野球とホッケー出身の選手も交じる。そんな部員らは、持ち前の明るさと元気の良さで沖縄の本番に挑む。

同好会発足から3年 底抜けの明るさが武器

レスリング部は3年前に同好会として発足。昨年、部に昇格した。現在、2年生2人、1年生6人。柔道経験者は腕力や投げ技などに優れ、レスリングになじむのも早かった。少人数の部にとって、学校対抗出場に必要な各階級の部員がそろったのも幸運だった

山本公裕監督(45)は、全日本選手権4位、ソウル五輪代表選考にも残った実力派。厳しい中にも愛のある指導で、選手の持てる能力を花開かせていった。

6月の県総体がチームとしての初の公式戦だった。入部が決まっていた1年生は、体力差を少しでもカバーしようと入学前から練習に励んでいたが、山本監督の想像以上に個々の基礎体力が高かったという。「わたしの経験上、(インターハイへの)手応えはありましたが、学校対抗で2位に入れば北信越大会に行けるので、『2番狙いでいい。楽にいこう!』と言っていたんです」と振り返る。

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中尾優里(右)・九鬼巧(左)

中尾優里(右)・九鬼巧(左)

近畿

陸上男女100メートル 和歌山北(和歌山)
超速コンビ同時Vだ
白井邦彦=文・写真

昨夏のインターハイ陸上男子100mを制した和歌山北(和歌山)の九鬼巧(3年)=和歌山・文成中出身。女子100m準決勝敗退の雪辱を誓う、同校の中尾優里(3年)=同・保田中出身。ともに今年6月の県予選と近畿大会で優勝し、好調を維持して沖縄インターハイに挑む。狙うは陸上100mでは初となる、同一校による男女同時優勝だ。

昨年、九鬼は6月の近畿大会男子100mで自己ベストの10秒34をマーク。その勢いのまま挑んだ奈良インターハイでも、10秒44という好記録で優勝した。勝因を「うまくコンディションを合わせられた。2年生だったので気負いもなかった」と振り返る。

だが、今年は「追われる立場。プレッシャーはある」と、連覇の難しさを本人も認める。しかも、7月26日まで世界ジュニア(カナダ)で戦った後、29日からインターハイに臨むという強行スケジュールを自ら課した。中谷隆哉コーチ(63)からは「(世界ジュニアもインターハイも)共倒れになる可能性がある」と忠告を受けたという。

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インターハイの団体に3年ぶりに出場する園田学園

インターハイの団体に3年ぶりに出場する園田学園

テニス女子 園田学園(兵庫)
心一つにチーム再生
木和田志乃=文・写真

テニス選手、クルム伊達公子の母校として知られる園田学園(兵庫)。女子団体戦で過去17度の全国制覇を遂げている強豪だ。しかし、2連覇を狙った今春の全国選抜大会では準決勝で敗れてしまった。原因はバラバラになってしまった部員たちの心。部員たちは、再び心を一つにしてリベンジを果たそうと燃えている。

部員の絆の大切さ 敗戦から学んだ

団体戦で選抜大会11度、インターハイ6度の優勝を誇る園田学園。その強さは豊富な練習量に支えられている。平日は授業後の午後4時から、土曜は午後1時から午後7時半ごろまで練習する。日曜日も午前10時から午後6時まで球を追う。

系列校の中学生、大学生と練習するのも特徴だ。「負けられない」というプレッシャーの中で中学生と打ち合い、技術・体力に勝る大学生と数多くの試合をすることで、さまざまなタイプの選手との戦い方を覚える。

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インターハイに向け練習する部員。学校に弓道場がないため、自転車で15分の県立弓道場へ通う

インターハイに向け練習する部員。学校に弓道場がないため、
自転車で15分の県立弓道場へ通う

中国・四国

弓道女子 高知工(高知)
無欲で射抜いた県の頂点
藤川満=文・写真

公式戦で予選敗退が”お約束”だった高知工(高知)弓道部女子。しかし今年の県大会では、周囲の予想を覆して予選を突破。決勝リーグでも勝ちを重ね、男子と一緒にアベック優勝を決めた。これまで無名だったチームが、県大会初優勝の勢いそのままに全国の舞台へ乗り込む。

まさかまさかの快進撃 全国での目標も「予選突破」

「インターハイは全国大会というより、引退予定だった県大会が、夏まで延びた程度のものと考えるようにしています」と笑うのは、女子主将の寺尾郁香(3年)=高知・安芸中出身。初の大舞台でも気負う様子はない。

団体戦メンバー5人のうち、寺尾以外は高校から弓道を始めた初心者だった。今や主力の一人である名護山恵(3年)=同・城西中出身=も「家と弓道場が近かったから(笑)」というのが入部理由だ。そんな普通の女子の集まりは、残念ながらどんな大会でも予選敗退がお決まりだった。

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インターハイに初出場する小倉商ソフトボール部

インターハイに初出場する小倉商ソフトボール部

九州

ソフトボール女子 小倉商(福岡)
1年生エースは日本代表
石井宏美=文・写真

女子ソフトボールで初出場初優勝を狙うのが、史上最年少の15歳で日本代表に選ばれた投手の岡村奈々(1年)=福岡・早鞆中出身=を擁する小倉商(福岡)だ。部員たちは「全国でどこまで通用するか早く試したい」と、開幕を心待ちにしている。

「後輩に負けられない」 初出場Vへ上級生も闘志

「とにかくうれしかった」。主将のショート園田里紗(3年)=同・石峯中出身=は、ゲームセットの瞬間、エース岡村の元へ一番に駆け寄り抱きついた。「ありがとう」——。そんな感謝の気持ちを込めて。

福岡県予選の決勝。小倉商は、昨年まで5年連続インターハイ出場中の福岡大若葉(旧・九州女)を2−1で破り、念願の夏の全国切符をつかんだ。

これまで福岡大若葉には、練習試合でもどうしても勝つことができなかった。しかし、ここ一番の舞台で底力を発揮。予選リーグの2回戦で同校に勝って波に乗ると、自信をつけた選手たちは決勝まで順調に勝ち上がっていった。

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開催地・沖縄

地元開催のインターハイで2連覇を狙う興南ハンドボール部。チーム一丸で頂点へ駆け上がる

地元開催のインターハイで2連覇を狙う興南ハンドボール部。チーム一丸で頂点へ駆け上がる

ハンドボール男子 興南(沖縄)
夏の主役は譲れない
沖縄タイムス=取材・文・写真

昨年のインターハイ男子ハンドボールで優勝した興南(沖縄)が、2連覇を目指して地元・美ら島総体の舞台に立つ。今春の選抜高校野球大会では、野球部が初優勝してその名をとどろかせたが、ハンドボール部もインターハイを過去4度制した強豪だ。6月の九州総体も優勝し、満を持して熱き夏に挑む。

地元での連覇達成へ 「ベンチ入り全員で戦う」

現チームになって県内大会負けなし。県総体も制し、県1位で全国切符を獲得した。だが、道のりは楽でなく、死闘の末につかんだ薄氷の勝利だった。

決勝の那覇西戦。「打倒・興南」に燃えるライバルの激しい守備の前に攻めあぐねた。終盤ようやく逆転したものの、結果は18−17とわずか1点差。黒島宣昭監督(49)は「課題が見えた。サイドやポストを絡めた攻撃の幅を増やしたい」と、かぶとの緒を締める。個人技とスピードで、全国の頂点へ駆け上がった昨年のチームと比べ、今年は高さで上回っているが、速さはやや劣るため、セットプレーのバリエーション強化が必須という。

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インタビュー

漫画家 大島司さん
スポーツは人間ドラマ
斉藤健仁=文・写真

かつてはサッカー漫画の金字塔「シュート!」で、現在はバレーボール漫画「アタック!!」で高校生のスポーツ群像を描き続けて20年の大島司先生。「スポーツシーンだけでなく人間ドラマを描きたい」という先生に、漫画家ならではの視点から、高校生のスポーツの魅力や、インターハイに出場する選手へのメッセージを聞いた。

—なぜスポーツを漫画の題材に選んでいるのですか?

大島 スポーツは選手が正々堂々、真剣にその競技に向き合っているので、とてもさわやかですし分かりやすいからです!また、基本的に明るい漫画が好きなので、自分の性分に合っていると思いますね。

葛藤・挫折なども描きたい

—現在連載中の「アタック!!」はバレーボールの物語です。

大島 デビューのきっかけとなった賞を取った作品もバレーボール漫画でしたし、実は中学時代にバレーボール部だったので、「いつかは描きたい!」と思っていたんですよ。だから思い入れが強いですね。

—先生の作品は、すべて高校の運動部が舞台ですね。

大島 高校生は多感な時期です。心も体も成長し、さまざまな出来事が起きますよね。もちろんスポーツそのもののシーンを描くのは好きですが、高校生の純粋さやひたむきさ、葛藤、挫折などの人間ドラマも描きたいと思っている。だからわたしが選ぶ題材は「高校+スポーツ」なんです。

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「自分に厳しくするのは大変です。でも、その経験が将来どこへ行っても役立つと思う」とエールを送る

「自分に厳しくするのは大変です。でも、その経験が将来どこへ行っても役立つと思う」とエールを送る

高校時代を振り返る

バレーボール 木村沙織

身に付けた自主性 今も
白井邦彦=文・写真

バレーボールのVプレミアリーグで史上初の3連覇を達成した東レアローズ。その中心選手としてチームに大きく貢献したのが、全日本代表としても活躍する木村沙織だ。高校2年で全日本に初招集された逸材は、自主性を重んじる環境での日々が、自分をコントロールする力をはぐくんでくれた、と高校時代を振り返る。

小学2年でバレーを始め、中高一貫の成徳学園(東京、現・下北沢成徳)を選んだのは、全国優勝を目指す強いチームだったから。でも、実は幼いころから泳ぐのが苦手だったので、学校にプールがなかったからでもあります。(高校の)監督がこの記事を読んだら悲しむかもしれませんね(笑)。

成徳での練習は厳しかったです。ただ、監督が厳しいのではなく、生徒の自主性に任せるという目に見えない重圧のようなものがありました。常に自分に厳しく、高いモチベーションを保たなくてはいけなかった。自主トレは強制ではなかったので、手を抜こうと思えば抜けました。でもやらなければ、当然レギュラーにはなれない。いつも自分の課題を考え、克服しなくてはいけないという厳しさがありました。

成徳で身に付けた自主性は、東レで生きています。自然と自分をコントロールでき、安定したプレーにつながっていますね。

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ロード練習では、監督自ら車を走らせ、定期的に車を止めて部員にげきを飛ばす。理由は、部員の集中力を切らさないためと安全を確認するためだ

ロード練習では、監督自ら車を走らせ、定期的に車を止めて部員にげきを飛ばす。理由は、部員の集中力を切らさないためと安全を確認するためだ

監督の肖像

徳地末広(奈良・榛生昇陽自転車競技部)

栄誉は部員のもの 厳しくも愛情深い熱血漢
白井邦彦=文・写真

ひげ面に鋭い眼光は、見るからに厳格。部員に課す練習も年末年始の7日間以外は休みがないほど厳しく、練習で集中力を欠く部員には容赦なく喝を入れる。榛生昇陽(奈良)自転車競技部の徳地末広監督(53)。インターハイ2度、選抜大会2度の全国制覇を成し遂げた名監督は、厳しさの中に「部員が常に高い意識を持ち続けられるように支えるのが、監督の仕事」という熱い思いをたぎらせている

全部員に同じ練習を課す

自身が自転車競技に出会ったのは高校2年。野球部での厳しい競争に敗れて夢を失っていた時、自転車競技部の練習を見て再び熱いものが体にたぎった。大学時代には「挫折した自分を救ってくれた自転車に恩返しをしたい」と、指導者を目指すことを決めた。「自分が喜怒哀楽を出さないと、部員は心を開かない」を信条に、時には怒鳴りつけることもある。練習は、能力の差に関係なく全部員に同じノルマを課す熱血漢だ。

指導者のキャリアは、1982年に赴任した北大和(現・奈良北)に始まる。2年後の奈良国体に向けた選手育成が目的だったが、当時は自転車競技部がなく、部員集めからスタートした。しかも「大半の生徒が楽しいサイクリングだと思って入部してきた。国体に出るなんて雲の上の話」だった。

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