メンタルコンディショニング講座

第 1回 日々の緊張を解きほぐすことから始めよう(07年10月号掲載)

スポーツ選手が競技力を最大限に発揮するためには、精神面の充実が欠かせません。このコーナーでは、選手に必要なメンタルコンディショニングについて解説したいと思います。

第1回は、スポーツ競技者の実力向上と実力発揮を目的とした、スポーツコンディショニングとしてのリラクセーションの重要性についてお話します。

心身を良好な状態に調整

リラクセーションは、選手の緊張を解きほぐし、心身を良好な状態に調整することが目的です。そこには2つの意義があります。1つは試合本番でのコンディショニング、すなわち実力を発揮するためのリラクセーションです。もう1つは、試合本番までのコンディショニング、すなわち毎日充実した練習ができるためのリラクセーションです。

一般的には、前者の観点から取り組まれることが多いようです。試合というのは独特の雰囲気で展開しますから、どうしても緊張が強くなり過ぎます。だから、そうなったら少し緩めて、適度な緊張状態に調整しようということになるわけです。

「試合本番まで」が重要

確かに、それは重要なことだと思いますが、それ以上に重要なことは後者の観点です。

競技者は心身共にとても疲れています。毎日の激しい練習で、くたくたになっています。だから、よく寝てよく食べて十分に回復しなければならないのです。そうしなければ次の日、元気よく練習できなくなってしまいます。

しかし、実際には競技成績のこと、チーム内の人間関係、学業や将来のことなどからくる不安が強い緊張状態を招いてしまい、それによってよく眠れず食欲も落ちてしまいがちです。眠れなければ、練習で疲れた体を十分に休ませることができません。食が細くなれば栄養状態が悪くなり、元気よく練習するためのエネルギーが不足し、さらに体調を崩しやすくなります。

毎日充実した練習をするから実力が上がるわけです。そうした積み重ねが「やるだけのことはやった。十分な準備ができた」という自信を支え、試合本番での実力発揮につながっていくのです。だから、不安や緊張を解きほぐすリラクセーションを日々の競技生活に取り入れることが大切になるわけです。

次回はリラクセーション法の具体例についてお話したいと思います。

(岩田真一=日本女子体育大講師)