前回はスポーツ競技者にとってのリラクセーションの重要性についてお話しました。今回は具体的なリラクセーションのやり方を紹介したいと思います。
筆者は「動作法」と呼ばれている技法を専門としており、今回はそれを参考にしています。リラクセーション法には、多くのやり方が紹介されていますので、例えば「スポーツメンタルトレーニング教本(日本スポーツ心理学会編・大修館書店)」などを参考にして、自分に合ったものを見つけて継続的に取り組んでいただきたいと思います。
能動的な努力で実現させる
リラクセーションに取り組む際、最も大切になると考えられるのは自己弛緩(しかん)です。他者に緩めてもらう、という受動的な構えではありません。自分のからだにじっくり注意を向け、自分で自分のからだを緩める、という能動的な努力を通じ「緩め」を実現することが肝心です。
簡単にできる一例として、いすに座って肩を上下動させるリラクセーションを紹介します。
①いすに腰掛けて、軽く背すじを伸ばし、両腕を自然と垂らします。どっしりと座って、その土台の上に上体軸をスーッと真っすぐ据えるイメージです。
②肩の辺りに注意を向けて、ゆっくりと肩を上げていきます。
③肩を上げていくと、窮屈で苦しい感じになってきます。そうなったら意識的にもう少し力を入れて肩を上げ、きつい感じを強くして止めます。
④そのまま肩を保持し、①の座り方を確認しながら静かに呼吸を繰り返します。
⑤肩を上げるために必要とはいえない、首、背中や腰などに力を入れていることに気付きますので、ゆっくりと肩以外の力を抜いていきます。
⑥そうすると、きつかった肩がそれほどでもなくなり、気持ちにも少し余裕が生まれ、楽に感じるはずです。
⑦もう少し高く肩を上げられるようになっていると思いますので、この後1、2回、②~⑤を繰り返します。
⑧再度、①の座り方を確認して、肩に入れた力をゆっくりと抜きながら肩を下ろしていきます。このとき、①の座り方が崩れないように保つことが大切です。
これらを行うときは、上げるときも下げるときも、できるだけゆっくりと動かすことを心掛けます。力を入れていく感じ、抜いていく感じをじっくりと感じ取りながらやるのが効果的です。

緊張から力が入りっ放しに
我々はさまざまな不安を抱え、それによって、からだが緊張してしまっています。自覚していない場合が多いのですが、力が入りっ放しになっているのです。そのような自分に気付くことができるか、それを緩めることができるか、が鍵となります。
今回紹介した方法はリラクセーションの実現とともに、からだへの気付きを鋭くしていくことにもつながっていくでしょう。また、この方法を集中力のトレーニングとしても活用することができます。これに関しては次回取り上げたいと思います。
(岩田真一=日本女子体育大講師)