メンタルコンディショニング講座

第 3回 ゆっくりとした動作を続けることで集中力アップ(07年12月号掲載)

前回は、リラクセーション法に取り組む際の留意点と具体例を紹介しました。今回は基本的なやり方は同じですが、コンセントレーション(集中力)を高めるトレーニングとして取り組む方法を紹介します。

このトレーニングの準備姿勢は、前回のリラクセーション法と同様です。いすに腰掛けて、軽く背すじを伸ばし、両腕を自然と垂らします。どっしりと座って、その土台の上に上体軸をスーッと真っすぐ据えるイメージです。

①肩を上げるときも下ろすときも、できるだけ少しずつゆっくりと動かす。

本人はゆっくりとやっているつもりでも、案外そうなっていません。可能な限りゆっくりと行うように心掛けます。前回とは異なり、それほど大きく肩を上げる必要はありません。とにかく自己コントロール感をもって、ゆっくりと動かすことが肝心です。

②肩を上げるとき、余計な力を入れないように十分注意する。

肩を上げていくときに、腰や背中を反らせたり、首やあごに力を入れたりしてしまうことがあります。肩を上げるために必要な力だけを意識して行いましょう。

③肩を下ろすとき、必要な力まで抜いてしまわないように十分注意する。

肩を下ろすとき、②とは逆に、上体の軸として真っすぐに保持している力まで抜いてしまうことがあります。肩の力だけを抜いて下ろしましょう。

④動かし始めるとき(肩を上げるときも下げるときも)、丁寧に慎重に始める。

⑤始めたら、最後までゆっくりのペースを維持してやり遂げる。

レースやゲームの滑り出しや最後の詰めの段階で集中力を欠いて失敗することがあります。④と⑤については、動作の最初と最後における自分の在り方が、スポーツ競技場面でいかに大切であるか、という観点から行います。

競技中に、一瞬たりともいい加減にしてよい時間はないのです。必要なときに一気に最大の集中力を発揮して、それを必要なだけ持続させることが重要なのです。

特に、肩を下ろす最後の方で、イライラしてきたり、一気に力を抜きたくなったりします。そこで冷静になり、辛抱して粘り強く最後までゆっくりとやり遂げるように努力します。

皆さんは「集中しろ」とよく言われると思います。しかし、なかなか実現しにくいことは、このトレーニングでも体験できるはずです。集中力を高めるトレーニングを通じて、そんな自分を変えていきましょう。

このトレーニングは、本来はトレーナー(援助者)が背後から肩に触れて、助言・激励しながらやるものです。筆者の場合、例えば、トレーニー(動作者)が腰に力を入れて反らせてしまっていれば、それを指摘して力を抜かせたり、最後の方で急がないようにアドバイスしたりしながら行っています。1人でやる場合には十分注意して行いましょう。

●いすに腰掛けて、軽く背すじを伸ばし、両腕を自然と垂らす。

●肩を上げるときも下ろすときも、できるだけ少しずつゆっくりと動かす。

●肩を上げるとき、余計な力を入れないように十分注意する。

●肩を下ろすとき、必要な力まで抜いてしまわないように十分注意す。

●動かし始めるとき(肩を上げるときも下げるときも)、丁寧に慎重に始める。

●始めたら、最後までゆっくりのペースを維持してやり遂げる。

(岩田真一=日本女子体育大講師)