スポーツをしている人であれば一度は、疲れがとれない、疲れがたまっている、と感じたことがあるのではないでしょうか。疲労はスポーツをする人にとっては切っても切り離せないものです。疲労が回復しない状態で練習を続けたとしてもトレーニング効果は上がりません。また、疲れたまま練習を繰り返すことで、さらに疲労が蓄積してしまいます。集中力が低下し、けがにもつながりやすくなります。疲労とはどうして起こるのでしょうか。疲労は①エネルギー源の消耗②疲労物質の蓄積、の2つが大きく関係しています。
エネルギー源の消耗
練習を行うことで、エネルギー源である筋肉や肝臓のグリコーゲンといわれる物質が消耗します。グリコーゲンが消耗すると低血糖となり、空腹感とともに疲労感がでてきます。糖質を補給することで血糖値が上昇し、疲労感は少なくなります。筋肉中のグリコーゲンの貯蔵量が多いほど全身の持久力が高く、疲れにくいため、疲労と糖質の蓄積には密接な関係があります。グリコーゲンを蓄えるためには、グリコーゲンの原料である糖質食品(ごはん、パン、めん、芋など)を積極的に取ることが必要です。特に糖質の中でも砂糖のような直接甘さを感じる糖質ではなく、でんぷんのようなゆっくりと、かむほどにほんのり甘さを感じるでんぷん質の食品を取るようにしてください。体内にグリコーゲンを蓄積することができます。
糖質摂取の低い食事を続けていると、グリコーゲン貯蔵量がとても低くなってしまいます。体重を減らしたいためにごはん、パン、めん、などの主食を食べない人がいますが、それは誤った考え方です。主食を食べないと疲労を早く感じ、疲労が回復しません。主食は体を動かす重要なエネルギー源です。毎食食べるようにしましょう。
疲労物質の蓄積
運動により蓄積される物質が疲労の原因となります。強度のトレーニングによりエネルギーを生み出す過程での体内代謝がうまく働かないと、筋肉中に乳酸が蓄積します。乳酸の蓄積による筋肉の酸性化は筋肉疲労の原因となります。
疲労物質の除去のためには、糖質補給とともにビタミン類の豊富な食事を取ることが必要になります。ビタミン類をたっぷり取るためには、果物や野菜類を取ることです。果物はビタミン類だけではなく、糖質も同時に補給することができます。野菜類は特に、色の濃い野菜(ブロッコリー、かぼちゃ、ほうれん草など)を積極的に取るよう心掛けてください。
疲労を回復するためには、糖質とビタミン類を積極的に取ることが必要です。そのためには普段から食事の基本形(主食、主菜、副菜、果物、牛乳)をそろえることです。
あと忘れてならないのが、食事を取るタイミングです。練習後、なるべく早く食事を取ることで回復力に差が出ることが証明されています。
(亀井明子=女子栄養大非常勤講師、国立スポーツ科学センター研究員)