スポーツのための栄養学

第 5回 スポーツ選手にとって正しい「間食」とは(07年1月号掲載)

日常的に間食を取っている人は多いと思います。今回はスポーツ選手にとって望ましい間食の取り方についてです。

普段、選手のみなさんは間食にどのようなものを食べていますか。パンや牛乳、チョコレートやクッキー、プリンやケーキ、清涼飲料や炭酸飲料など、種類や量は選手によって様々でしょう。

また、いつ食べるのかということも様々かと思います。選手によっては間食のタイミング、種類や量を考えて取っている人もいるでしょう。スポーツ選手の間食とは、どのように考えたらよいのでしょうか。

スポーツ選手は、当然のことですが、一般の人と違い運動量が多くなっています。そのため、体にとって必要なエネルギーや栄養素が増加します。また、運動量が多いというだけではなく、自身の競技にとって望ましい体をつくり、維持していくためには、一般の人以上に摂取するエネルギーや栄養素に関心を持つ必要があります。

運動により消費するエネルギー量が多い場合、朝、昼、夕の3食では必要とするエネルギーや栄養素を取ることができない場合があります。そこで、間食が栄養補給の大切な役目を果たすことになるのです。

間食は空腹を紛らわすだけではなく、食事で取りきれないエネルギーと栄養素を満たすための「補食」と考えてください。

さらに、トレーニングで必要とするエネルギーの補給と、トレーニングで消費したエネルギーの補給を補食で取ることも必要となります。

トレーニング前は、効率よくエネルギーにかえる役割のあるビタミンも必要です。トレーニング後では、消耗した体の回復のためには、なるべく早く食事をとることが必要です。

しかし、練習後速やかに食事を取ることができない場合がほとんどだと思います。そこで、補食が必要になるのです。早いタイミングの栄養補給が体の回復を早めます。とり急ぎ補食でカバーし、その後なるべく早めに食事を取るよう心掛けましょう。いずれにしても、スポーツ選手の間食は「間食」ではなく、「補食」になるということです。補食の基本的な考え方についてまとめました。

①食事で取りきれないエネルギーと栄養素の補給
②トレーニングで必要とするエネルギーの補給(練習前の補食)
③トレーニングで消費したエネルギーと栄養素の補給(練習後の補食)

練習前の補食は、練習中の集中力を維持するために必要です。エネルギーが枯渇した状態で練習を続けると、集中力の低下によるけがや体調不良を招きます。そうならないために補食を取ることが必要です。

補食を取る場合の注意点は、補食の量です。補食の量が多くて、通常の食事が食べられない、ということがないようにしましょう。

(亀井明子=女子栄養大非常勤講師、国立スポーツ科学センター研究員)