貧血とは「赤血球中のヘモグロビン濃度が低下すること」をいいます。ヘモグロビンとはいったい何でしょう。ヘモグロビンは酸素を全身に運搬する働きをしています。ヘモグロビン濃度が低下するということは、つまり全身に酸素が運搬されないということです。スポーツ選手は運動することで、酸素摂取量が増します。一般の人よりも多くの酸素を全身に行き渡らせることが必要となります。
「疲れ」は貧血の可能性も
貧血になると、運動に必要な酸素を全身に、そして筋肉組織に十分に行き渡らせることができなくなり、運動能力の低下を引き起こします。いつもより練習がきついと感じる、早く疲れがでる、スタミナが落ちる、思うように体を動かすことができない、といった状況になります。
このような状況を感じたことはありませんか。自分の体の状態を振り返ってみてください。これまでにこのような状況を感じていた人は「貧血」の可能性があります。
スポーツ選手に多い貧血の種類は、鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血とは、酸素を運搬する役割のあるヘモグロビンをつくるために必要な鉄とたんぱく質が不足して起こる貧血のことをいいます。
食事の4つのポイント
貧血を予防するためには、食事はどのようにしたらよいでしょうか。ポイントは4つあります。
①鉄を取る
②たんぱく質を取る
③ビタミンCを取る
④食事の基本形を整える
ヘモグロビンをつくるためには鉄とたんぱく質が必要となります。鉄には2種類の鉄が存在します。それは、ヘム鉄と非ヘム鉄です。ヘム鉄は、肉類や魚類などの動物性食品、特に赤身の肉に多く含まれ、たんぱく質も含まれています。非ヘム鉄は野菜類や豆類などの植物性食品、乳製品に多く含まれています。この2種類の鉄は腸管からの吸収率に違いがあります。ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて2〜3倍以上も吸収率の高い鉄です。
鉄とたんぱく質を含む肉・魚類を継続的に食べている人は体内に貯蔵している鉄が多いことがわかっています。毎日、継続的に肉や魚を食べるようにしてください。食事の基本形でいう「主菜」を取るということです。
ビタミンCは鉄を吸収しやすい形に変え、体内での鉄の利用を高めます。ビタミンCを多く含む食品は、野菜や果物です。特に野菜には鉄が含まれていることから、食事の基本形でいうと副菜を取るということになります。
食事の基本形を整える
貧血予防のための食事のポイントの①〜③は、実は④の食事の基本形を整えることによって取ることができるのです。
もう一度、主食、主菜、副菜のそろった食事を日常的に取っているか、見直してください。
(亀井明子=女子栄養大非常勤講師、国立スポーツ科学センター研究員)