スポーツのための栄養学

第 7回 合宿や遠征時の食事(07年3月号掲載)

スポーツ選手の生活には、通常練習以外に、試合や合宿を目的とした遠征があります。これまでに培ってきた競技力を試合で十分に発揮するためにも、合宿の成果を挙げるためにも、遠征時の食事に配慮が必要です。

遠征や合宿は他の地域へ移動しなければなりません。また、食環境や休養環境が日常と異なります。従って、遠征や合宿時だからこそ考慮したい点がたくさんあります。

食事の基本形が大切

そうならないためには、事前の食事の打ち合わせと、選手自身が食事を調整できる力を身に付けておくことが必要です。主菜に偏った食事を取ることで体調を崩してしまう可能性もあります。それでは競技力向上のための合宿、遠征が無駄になってしまいます。

チームに関係する管理栄養士・栄養士がいない場合には、事前に専門家に相談し改善点についてアドバイスを受けておくとよいでしょう。また、選手が自己で調整するためには、日ごろから練習内容と食事内容とのバランスを考え、自分の体調に合った食事内容について知っておくことが必要です。

主食は個人に合わせて量を調整できる場合が多くあります。主食を毎食取り、練習や試合で失ったグリコーゲンの補給を心がけてください。主菜は揚げ物ばかりに偏らず、可能であれば、できるだけ焼く、煮るといった調理法にしてもらい、胃腸に負担をかけないようにしましょう。また刺身などの生ものは十分に注意を払い、体調の良くない場合には避けたほうがよいでしょう。生ものは下痢を引き起こす場合があります。

副菜は必ず取りましょう。なかでも緑黄色野菜を取り、ビタミン・ミネラルの補給をすることです。練習や試合での疲れを軽減させ、体調を整えるためには必ず必要です。

緑黄色野菜を食べる

合宿先、遠征先で提供される食事には淡色野菜があっても緑黄色野菜がほとんどない場合も多くあります。できるだけ緑黄色野菜を入れてもらえるようにしてください。おひたしや煮物、具だくさん汁など野菜類をたっぷり使った料理を提供してもらいましょう。また、果物と牛乳を1日1回は提供してもらうことも必要です。

合宿・遠征時は体調を崩しやすいことから、野菜類、果物類、牛乳をできるだけしっかり取れるようにしてください。また、宿泊先の近くにスーパー、コンビニエンスストアがあれば、そこで牛乳、ヨーグルト、果物や果汁百%飲料などを購入しビタミン・ミネラルをしっかりと補給しましょう。

(亀井明子=女子栄養大非常勤講師、国立スポーツ科学センター研究員)