スポーツのための栄養学

第10回 試合・練習後の食事について(07年7月号掲載)

試合前は十分にグリコーゲンを貯蔵することが必要です。蓄えられたグリコーゲンは試合中に消耗し、場合によっては枯渇してしまいます。試合後(練習後)、そのまま消耗、枯渇した状態にしておくと、疲労を蓄積して体調を崩す原因になります。その結果、次の試合に臨めない、もしくは体調不良のために集中力を欠き、けがを誘発する可能性があります。試合後は、速やかに筋や肝臓の貯蔵グリコーゲンを元のレベルに回復させなくてはなりません。

できるだけ早く摂取

炭水化物量が少ない食事を続けていると、筋グリコーゲンを元のレベルまで回復させることができなくなります。筋グリコーゲンの回復速度は運動直後が最も速く、その後の速度は徐々に低下し、約20~24時間かけて運動前の状態まで回復します。試合後の補給はできるだけ速やかに行ってください。

しかし試合後は、筋肉や内臓、精神面などに疲れがあるはずです。疲労から食欲が落ちる場合もあり、消化吸収の良い食事を取るように心掛けてください。消化吸収の良い食事とは、適度な水分があり、できれば温かく、油分の少ない食べ物です。補食として考えるなら、炭水化物が豊富なバナナが代表的です。また、試合後は発汗による脱水が多かれ少なかれあります。水分補給も忘れないようにしましょう。

水分と炭水化物を

ここまでをまとめると、試合後は、水分と炭水化物の補給を忘れないことです。同じ日の次の試合、翌日の試合を勝ち抜くためにはこの2つの点が大事となります。

試合後はなるべく早い段階で体内に吸収されやすい、グリセミック・インデックス(GI)の高い食品を摂取することが良いといわれています。

GIは、血糖反応指数のことで、炭水化物を含む食事をした後に血中グルコース濃度(血糖値)が上昇してくる反応の大小を表す指数です。

もち・ジャガイモなど

GIの高い食品には、もち、ジャガイモ、はちみつ、砂糖などが挙げられます。グリコーゲンの貯蔵が少ない、または運動後に疲労困憊(こんぱい)した状態から、グリコーゲンを回復させるためには有効といわれています。

しかし、GIは調理方法や食べ合わせによって指数が変化します。油を使って調理した料理、脂肪の多い食品と一緒に食べるとGIは低下します。また、GIが低い食品は、食物繊維が多く含まれているという特徴もあります。食べやすさや手軽さなどを含めると、GIの高い食品が必ずしも良いとは限りません。練習内容や環境、状況に合わせて調整することが必要です。

試合後の食事は次の試合やその後の練習に向けて体を回復させるために重要です。食事と同時に十分な休養を取ることも忘れないでください。

(亀井明子=女子栄養大非常勤講師、国立スポーツ科学センター研究員)