高校生の石川遼がプロゴルファーになって、いきなり20億円以上もの契約金を手にするのを見たら、ほかの高校生ゴルファーもプロになろうとするのは無理もないことだと思うが、日本ゴルフ協会までもがその風潮を追認するのはどうかと思っていた。
日本ゴルフ協会の定めるゴルフ規則では、すくなくとも2002年版までは、
「アマチュアは、プロフェッショナルになる目的のためにする行動は一切行ってはならない」
とあって、
「アマチュアは、プロフェッショナルツアーに参加するための資格者を選ぶ競技や資格試験などの最終段階の競技や試験(いわゆるプロテスト)などへの参加申請をしてはならない」
ということになっていた。プロテストはプロになる目的で受けるのだからしごく当然のことで、その時点でアマチュア資格を失ったのである。
しかし、2008年版では、後段の部分がつぎのように変わっているのである。 「アマチュアゴルファーが、プロフェッショナルツアーの登録者になるための資格を得るために、ツアー指定の競技に参加しなければならない場合、そのアマチュアゴルファーはアマチュア資格を失うことなくそれらの競技に参加することができる」
いかに若いゴルファーがプロをめざす風潮にあるとはいえ、アマチュア資格を失うというリスクをおかすことなくプロテストを受けることができ、不合格の場合はまたアマチュアの試合でプロになるための練習をすることができるようにすることはないだろう。
そこにこの夏、高校ゴルフ連盟が、プロテストを受けた場合は、合否に関係なく、それ以後の連盟主催の試合には出場を認めない旨の通達を出したという記事を読んだ。英断だと思った。日本ゴルフ協会の新ルールはどう考えても理屈に合わないのだから、高校連盟の判断のほうが正しいのである。
現状がルールに合わないからといってルールのほうを変えていたのでは、ルールの意味がなくなってしまう。
(作家)