トレーニング論

第22回 新しく正確な情報で計画を(08年11月号掲載)

トレーニング計画は、夢を追い求めるために作るものではありません。新鮮かつ正確な情報を基にして作るものです。

スポーツをサマースポーツとウインタースポーツに分けると、これからサマースポーツはオフシーズンに入りますし、ウインタースポーツはシーズンに入るわけです。

オフ期に身体機能を上げる

オフシーズンに入るスポーツマンにとって、来シーズンに向けたトレーニングは今シーズンの反省と、より高い競技力を目指した身体機能の積み上げをする時期になります。そのために必要となる情報は、まず現在の健康度、加えて身体の構造や機能性です。

必要な情報とは、今シーズンは何勝何敗だった、リーグで何位だったという相手との相対的な評価ではなく、個々の競技者のものでなくてはなりません。これを基にして来シーズンに向けてどのくらい修復と上積みができるのかを見通してトレーニング計画は作られます。現実にはなかなか大変なのですが、個人個人の計画(個別性の原則)か、それに近いものが作られるのが理想です。

目に見える身体の構造・機能を評価することは誰にでも分かりやすいのですが、健康度についてはつい見逃し、場合によっては、チェックを割愛してしまうことすらあります。しかし、肝心なのは、健康度がトレーニングの強度と量を決める、よりどころとなることです。そこで必要となってくるのがメディカルチェックです。

隠れた病気発見の可能性も

紙面上、メディカルチェックを詳しく説明する余裕がないのですが、胸部のエックス線撮影、尿と血液の生理学的チェックは欠かすことのできない項目だと思います。

メディカルチェックは、トレーニング強度と量を決める手掛かりとなるだけではなく、隠れた病気やその可能性を見つけ出す役割も果たすのですから、1年中で今がチャンスと考えてみてはどうでしょう。

(田中誠一=浜松大教授・東海大名誉教授)